石見神楽

写真 「大蛇」

 石見神楽の起源は不明ですが、江戸時代初期にはすでに演じられていたと言われています。口碑では、800年前の南北朝時代までさかのぼると伝えられていますが、文化文政期の国学台頭とともに、古事記・日本書紀を原拠とする神話ものが加わり、演目も豊富で極めて多彩な神楽舞です。

 江戸時代までは神職による神事であったものが、明治維新の神職演舞禁止令により、土地の人々に受け継がれ、さらに民衆の新しい感覚が加わり民俗芸能として舞われています。その調子やリズムは、石見人の気性をそのままに、他に類を見ない勇壮にして活発な八調子と呼ばれるテンポの速いもので、大太鼓、小太鼓、手拍子、笛を用いての囃子で演じられ、見る人を魅了し神話の世界へ誘います。

 大阪万国博(1970年)を契機として日本全国はもとより世界各国で上演され好評を博しています。そのスケールの大きさと、ダイナミックな動きで絶賛を得た「大蛇」をはじめ、演目は30数種にのぼり、地元では例祭への奉納はもとより、各種の催事・祝事の場に欠かすことのできないものとなっており、広く誇れる郷土芸能となっています。

 石見神楽は、石見地方一円の各社中・団に伝承されてきたものに改良や工夫が加えられ、各社中・団で特色あるものとなっており、微妙に演出が異なるのも魅力の一つです


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